食べものの贈りものは、もともと神様へのお供えものから始まったそうです。
本来は神様へ捧げるものなので、贈りものには高価なものが用いられてきました。
では、数ある食べものの中でも、なぜ海苔が選ばれるのでしょう。
海苔は古くから貴重な食べものとして扱われてきました。その価値は高く評価され、「大宝律令」によって諸国指定産物になり、租税の対象産物に取り入れられました。朝廷が税として納めることを求めるほどの価値があったのです。また、海苔の養殖技術がない時代には、その収穫は漁師の経験や勘によるところが大きく、天候にも左右されるものでした。そのため、毎年収穫量が大きく変わり、手に入りにくいものでした。そんな希少価値のある海苔は、手に入ることそのものが運が良いので、「運草(うんぐさ)」と呼ばれ、縁起の良いものとして喜ばれるようになっていったのです。